こんにちは、ともはちです。
大分お久しぶりになってしまいましたが、久々に米国株について書いてみようと思います。
今年は、全世界的に株による投資判断はなかなか難しい年になりました。一番大きかったのは、コロナウイルスの全世界的な流行による株価の暴落。調整というレベル感ではなく、あらゆる株が投げ売り状態になりました。
しかしながら、その後、少しずつ落ち着きを取り戻していく中、株価も急速に回復していきました。
さらにその後は一転して、コロナウイルス流行前のハイテク株中心の急激な値上がりが発生し、うまく流れを掴んだ方々は資産を一気に増やした方もいらっしゃるかと思います。
一方、流れに乗り遅れてしまい、悔しい結果になってしまった方もいらっしゃったかと思います。
相場を読むことは難しいですよね・・・それは本当にそう思います。確かに確実に勝つことを考えて相場に向き合うと、なかなかそれは達成困難な未来予測が必要になるように感じています。
が、落ち着いて、相場を見ていくと、相場にも一定の流れ、法則性があることが見えてきます。
これは、全くもって完全なものではありませんが、株価は投機的な動きのみによって完全なランダムウォークをしているわけではなく、ランダムウォークをする前提がある、そこには一定のロジックがあるということは言えると考えています。
今日は、ちょっと9/3-4に発生した(している)株価の調整を題材に、どういったロジックが働いたのか?(働いたと思われる)ということをご紹介させてください。
株の分析というと、各種指標を使ったりしますが、あまり難しい話は抜きにして今回は平行線だけでその動きを簡単に説明していきたいと思います。
9/3-4の米国株の下落
ちまたの報道では、SBGの投機的な売買が影響したという話も出ていますが、その話は特に触れません。影響した可能性は十分ありうるのですが、そうだったのであれ、そうでなかったのであれ、ファンダメンタルズとテクニカル観点で、冷静に見ることができていれば、この調整局面は9/3に起こるよまでは言えなくても、このタイミングで発生するだろうなは想定可能な範囲でした。
難しい手法は使わず、今回は「平行線」だけで説明したいと思います。
まずは、今回の下落のキッカケになったと言われている、テスラ(NASDAQ:TSLA)を見てみましょう。
週足に平行線入れてみます。コロナウイルス発生前の上昇トレンドと、その後の回復基調のトレンドにラインを入れてみると、そのラインを越えると今回に限らず調整が入っている状況が確認できます。
たまたまでしょと思われるかもしれませんが、同じように高騰していたグラボの雄、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)も見てみましょう。同じく週足ベースですが、TSLAと似たような傾向を示しています。
ハイテク関連で、もう一つマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)です。同じく週足ベースです。上昇幅や上昇率は異なりますが、ある程度同じような展開を見せているのがわかります。
チャートから簡単に見える内容ですが、この平行線の上値を抜けたタイミングは今までの株価上昇傾向より急角度で上がっていっていますので、過熱感というコンセンサスが形成されやすいです。
それがある一定水準まで行くと、チャートを見て後からエントリーしてくる相乗りが増えてきて一気に株価は上昇します。一方、前から株を持っている人たちは含み益が一気に膨らみますので、含み益に喜びつつも利確したいと考える人たちが出始めます。
そうすると、株は徐々に売り始める人が出始め、上昇トレンドが緩やかになり、株価は天井をつけたと感じると、ホルダーたちにより、一斉に利確が始まり、調整トレンドが発生します。
9/3-4の調整も、コロナウイルス環境下で投資先に悩む投資資金がハイテクに流れこみやすい傾向になっている中、四半期業績が好調だったハイテク株中心に大量の資金が流入して一気に株価が上昇しましたが、結果的には、その影響で株価が短期的に上がりすぎてしまったため、調整が発生したという状況です。
SBGがその一部をなしていた可能性はありますが、SBGが関与したのであれ、そうでないのであれ、チャートからみていると、そろそろ調整局面だなは判断がつきます。
調整はどこまで調整されるの?
調整理由はわかった、だが、問題はどこまで調整されるかだ、そうお考えの投資家の方も多いと思います。
調整局面が終わり底をつけば、バフェットさんがバリュー株だと言おうが、やっぱりハイテクだよと買いたい人が多くいらっしゃると思います。また、すでに米国ハイテク株をホールドしていて、どこまで我慢すればいいの?と感じている方もいらっしゃると思います(私もその一人です、笑)。
ここはなかなか難しいところですが、再びチャートに戻って、日足を見てみると現在9/4までの下げで大きく下げ、一旦平行線ライン内に入り、底を打った後、値を戻していることがわかります。サポートラインとなっているのは、銘柄によりますが、8/12-20頃のラインが意識されている形です。
9/4までの相場では、ここでかなり強い反発、買い戻しが入っていますので、一旦の底と認識されていると言えると思います。
このラインが形成されている理由は、投資家たちのその銘柄に対する価値にとして、これ以上下がったら割安すぎると考えている方が多くいるためで、市場に割安というコンセンサスがあることから生まれてきています。
TSLA
NVDA
MSFT
ただし、9/7は休場のため、この後どうなるか?がわかるのは9/8の夜以降にはなりますが、ここで下げ止まるか、さらに投資家のセンチメントが悪化してさらに下落するかはまだ予断を許さない状況です。
株価自体は、その会社の収益性と成長性の期待値によって決まり、それは株式指標ではPERという形で表現されますが、株価が一定にならないのは、その期待値をどう評価するかが投資家によって異なるのと、短期的な投資家のセンチメントによって株が売り買いされるためです。
長期的には、収益性と成長性の期待値による理論株価に収束はしていきますが、その株価自体に投資家の解釈に振れ幅があるため、株価は投資家の思惑によって売買されていくため、価格は上下します。
平行線が辿る株価の推移は、市場内で形成される収益性と成長性の期待値のコンセンサスから形成されていますので、その枠内での値動きが期待されますが、上記の理由により、短期的には並行線を越える値動きが発生する可能性があります。
そのため、9/3-4の下落については、9/4までの下落で一旦枠内に落ちてはいますが、投資家のセンチメント次第ではまだ落ちる可能性もありますし、逆に調整は終わったと感じた人たちが多く出てくると、再びゆるやかな上昇トレンドに戻る可能性もあります。
結論になってないやんと言われてしまいますが、完全に底打ちしたとはまだ言えない状況ですので、枠内に入った=買いだではなく、この後の値動きを見てからエントリーしていただくのが買いという観点ではオススメですし、ホルダーの方々的にはどうかなーと思う日々がもうちょっと続きますね。
まとめ
株価の動きを平行線だけで説明できるって、嘘くさいと思われる方もいるかもしれません。まぁたしかに平行線に入らないタイミングもありますし、後からチャートを見れば、なんとでも言えるんではと思われる方もいるかと思いますが、ちょっと考えてみてほしいのですが、投資家は何によって投資判断をしているかと言うと、ベースになるのは会社の収益性や成長性という会社の状態を示すデータです。
そのデータを元に期待できる株価以下なら「買い」を行いますし、割高と感じたら売ります。そのため、チャートには自然に多くの投資家たちがその銘柄をどう判断しているかの値動きが表され、その意思決定の集積は一定の傾向を示しますので、それが平行線となってある程度のレンジ内でコンセンサスを形成します。結果的に、平行線が株価の状態を説明できるものになりますし、ある程度未来を指し示すものになるというわけです。
いわゆるテクニカル分析で使う指標も、そのトレンドや売買の状況を指標でわかりやすく表現しただけで、根本的には違うことを言っているわけではありません。
すべての事象を折り込めるような完璧な指標やラインの引き方はありませんが、チャートを見て、ちょっとラインを引いてみるだけで市場のコンセンサスが見えてくるというのは面白いんじゃないかなと思います。
今後の株価は神のみぞ知るではありますが、米国ハイテク株は極端な過熱状態から冷やし玉が入ったことで冷静さを取り戻しつつあります。すぐに明日状況も見ずにエントリーすることはおすすめできませんが、ゆっくりとチャートの動きを眺めながら、エントリー機会を探してみるタイミングではあります。
米国ハイテク株は過剰投資と言われつつも、多くの方が期待しているように革新的な技術で巨大なマーケットを創出し続けているのも事実です。中国の巨人たちの脅威がありつつも、まだまだ米国ハイテク株のポテンシャルは他の投資銘柄に比べると成長可能性が高いです。
過熱状態に相乗りして資金を失っては元も子もないですが、今日の話が少しでも参考になり、皆様の余剰資金の活用のお役に立てば幸いです。
低金利時代、牧歌的な銀行預金では物価上昇にも負ける世の中ですが、市場をみる力を養うことで、確実な資産形成を自分の力でなしうる時代でもあります。
偉そうなことを言える立場ではありませんが、厳しい世の中ではありますが、自信の力を発揮して、市場の波を乗り越えて人生を謳歌する資金をゲットしましょう!笑