GDPが下がるってどういうこと?

こんにちは、ともはちです。

 

今日は、先日ニュース報道であった4-6月期のGDPが戦後最大の落ち込みというニュースについて、投資の観点では一体どういう意味を持つのか?ということについてご紹介していきたいと思います。

GDPとは?

GDPとは、国の豊かさを測る一つの指標です。

計算式は、以下のとおりです。

 Y = C + I + G + (X-M)

YがGDP、Cは民間消費、Iは投資、Gは政府支出、Xは輸出、Mが輸入を示しています。

GDPには、名目GDPと実質GDPがありますが、その差は物価上昇の影響を考慮したかどうかです。実質GDPの方は、名目GDP / GDPデフレータで算出されます。GDPデフレータというと難しく聞こえますが、要は物価上昇率のことです。

なぜコロナウイルスの影響でGDPが下がるの?

GDPは、たくさん生産し、たくさん消費できている国は豊かという前提に基づいて作られた指標です。多くの人が物やサービスを購入し、企業は設備投資をし、政府は公共事業に多額の資金を投入し、輸入よりも自国で生産したものをたくさん輸出している状態が豊かな状態ということを示しています。

したがって、景気が悪くなり、民間の消費が冷え込み、企業が支出を控える状態になるとGDPは低下します。

今回、コロナウイルス対策のための外出自粛で、民間消費が大きく冷え込みました(間接的に設備投資も手控える状況となった)ので、GDPが下がったわけです。特に民間消費は、GDPの構成割合の中で6割程度を占めますので影響は非常に大きいのです。

GDPが下がった影響は?

景気の冷え込みを意味していますので、実態経済は悪化していきます。そうすると、株価も下がることが考えられます。そのため、コロナウイルスの感染者が増加したタイミングで、株価は大きく下げ、日経平均も大きく下落しました。実態経済+投資家のセンチメントの悪化の影響ですね。

GDPの悪化が、株価の下落を引き起こすというより、民間消費の冷え込みが発生すると株価への影響が出始め、結果的にGDPも下がるという流れになります。そのため、GDPが下がるということは、マクロ環境的に景気後退が裏付けられることになります。

株価とGDPは常に相関する?

必ずしもそうはなりません。むむっですね。今までの話からすると、民間消費が回復すると、株価を押し上げる要素になり、GDPが回復していくように見えますが、必ずしもそうはならないというのはどういうことでしょうか?

今回を例にとると、株価は民間消費の回復よりも先に急速に回復しました。実態経済としては、コロナウイルスによる自粛はまだ影響が継続しており、消費が戻ったとは言いづらい状況にも関わらずです。これはなぜでしょうか。

GDPの話から少し離れますが、これは金融緩和の影響が大きいです。現在、日本に限らず、アメリカも壮大な大金融緩和政策の時代になっています。これにより、政府が買い支えしていますので、株価は実態経済に反して落ち込まない状態が発生します。これにより、株価はGDPの示す実態経済と乖離が発生しています。

とはいえ、実態経済の裏付けがない株価なので、現在の市場はバブルで暴落だーと言うのはやや軽率な話です。確かに、実態経済の裏付けがなく、高騰している銘柄もありますので、そういった銘柄は調整が入ることはあると思いますが、すぐに暴落するか?というと、それはNoだと思います。

なぜなら、政府が買い支えしているためです。もちろん、いつまでも買い支えができるわけではないので、それが限界に達し、買い支えを政府が止めたら暴落の危険性はありますが、市場を冷え込ませすぎず実態経済の回復を待つことができれば、極端な状態を避けることができます。

GDPを上げるには?

実態経済の回復が必要です。これをテコ入れするには、政府支出を増やし、公共事業を増やすなど景気を刺激する施策が必要になります。ただし、現在の冷え込みは自粛効果による民間消費の落ち込みの影響が大きいため、政府は多くの批判を承知で、GoToトラベルやGoToイートのような景気刺激策を打っているわけです。

参考までに、主要旅行業者の取扱額の7月のYoYは、海外旅行が前年の1.2%(-98.8%減)、国内旅行が前年の21.6%(-78.4%減)となっています。国内についてはやや回復してきている状況ですが、海外に至っては壊滅的と言ってよい状況です。

出展:国土交通省 観光庁 主要旅行業者の旅行取扱状況速報

現時点では今回の政策の適切さの評価はまだ難しいところがありますし、効果的な対策となっているかは結果を待つ必要がありますが、壊滅的な打撃を受けている産業に対して政府は手を打っているのは事実です。

まとめ

GDPは、国の豊かさを示す一つの指標。万能ではないが、GDPの悪化は実態経済の悪化を示します。株価は、GDPと相関することが多いですが、金融緩和の影響で乖離しているのが現状です。

GDPを回復させるには実態経済の底上げが必要で民間消費を刺激し、企業活動も活性化させていくことが必要です。ワーストシナリオとしては、実態経済の底上げが遅れてGDPの回復が思わしくない状態が続くと、政府の買い支えも限界に達して、株価も大暴落する危険性がありますが、現状は買い支えの力により、市場のセンチメントを極端に悪化させることもなく、実態経済の回復を待っている状態になっています。

コロナウイルスの影響もまだどこまで続くのか見えないところがありますので、難しい経済環境が続くことが想定されますが、政府の金融政策でどこまでこのショックを和らげることができるか、今は壮大な社会実験の中に我々はいるのです。

 

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