書評:知ってそうで知らなかったほんとうの株のしくみ

こんにちは、ともはちです。

 

今日は書評?本を読んでみてのまとめです。「知ってそうで知らなかったほんとうの株のしくみ」、この本は、投資の考え方、その元となるファイナンスの考え方をコンパクトかつ平易にまとめています。特にファイナンスの考え方は、わかりやすくするため、非常に割り切った形でまとめていますが、企業価値の算出の考え方の概要を把握する意味では面白いまとめだなと思いました。

目次

ほんとうの株のしくみ

kabu_shikumi

バリュー株投資の考え方について書いた本です。株式投資は、企業の価値と現在の株価との差を人より早く見抜くゲームであると言っています。

企業の本質的な価値(企業価値)に対して、株価が割安な状態になっている株を見つけ出し投資することで儲けが得られます。

そのため、知るべきことは、価値と価格の差を知る、差が解消される仕組み(価格が上がる仕組み)を知ることが大事です。

ファンダメンタルズに重きを置く考え方ですね。

細かいことは抜きにして、どのようにこの本質的価値を見抜くのか?というのはバリュー投資において大事なポイントです。

企業の本質的価値を見抜くには?

利益の源泉を見抜くことが大事になります。そのために、この本では、4つの問いから明らかにしようとしています。

  • その企業は「なに」で稼いでいるか?
  • 「なぜ」稼げているのか?
  • 稼いでいく仕組みに変化はないのか?
  • 今後「いくら」稼げるのか?

収益の元になっているKSF(Key Success Factor)、ビジネスモデルをしっかりと見極めることと、今後の市場で同様の戦い方は成立するのか?という点を明確にしましょうということです。

収益性と成長性ですね。EPS(1株あたり純利益)とPERと言い換えても良いかと思います。

優秀なビジネスモデルを持っている企業、例えば独占的な技術を持っているような会社の収益力は高いですし、競争相手がおらず多くの顧客がいるような市場は魅力的で成長性が高いと言えます。

割安な良い投資先はどのように見つける?

下記の二つの条件が揃った企業になります。

  • 本質的な価値と価格の差が大きい(価値に対して価格の方が割安)
  • 価値と価格の情報の差が埋まる期間が短い

企業分析を行うと収益性と成長性が高いことが確認できたにも関わらず、株価が低迷していてPERが低い企業が割安な会社になります。

ただし、この価値と価格の差がすぐに埋まるかどうかも大事なポイントです。いくら割安でも、その差に対して投資家たちが目を向けていない場合は、株の需要が増えませんので、株価も低迷してしまうためです。

投資のスタイルにはどのような形があるか?

投資のスタイルは、以下の4つに分かれます。

    • 割安 大、情報格差期間 長
      •  フクロウ(がまん強い)
    • 割安 小、情報格差期間 長
      • ヒツジ(人に従う)
    • 割安 大、情報格差期間 短
      • ライオン(行動力)
    • 割安 小、情報格差期間 短
      • キツネ(すばやい)

投資に役立つ7つの習慣

以下の習慣は投資の役に立つ習慣です。

    • 投資判断は割安かどうか
    • 事実に基づいて判断する
    • 株価という結果ではなく、結果を作り出した原因に着目する
    • 価値を生み出す源泉はなにかを見抜く
    • 投資は手段であって目的ではない
    • 毎月の収入の1割を投資に回す
    • 謙虚に学び続ける

 

大事なポイントですね。本質的価値を見抜くことをこの本では非常に大事なポイントとしていますが、個人的には感情に流されず事実に基づいて判断できているか、投資で稼ぐだけではなく投資原資になる種銭をしっかり貯められているか(収入の1割を投資に回すというのは、「バビロンの大富豪の教え」でもでてくる重要なポイントです)というのは、本質的な価値を見出すのと同じくらい、非常に大事なポイントだと思います。

まとめ

バリュー投資に必要な考え方を知るには良い本だと思います。バリュエーションの細かい計算や専門用語を使わず、平易な語り口で説明されていますので、構えず読んでいくことができます。

この本を読んだから、すぐに相場で勝てるようにはなりませんし、具体的にどの銘柄に投資をするかについては何も記載されていきませんが、どういった企業に投資していくかを見極めていく上では非常に大事な考え方だと思いますので、一読することをオススメします!

 

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする